表 「茨木童子綱館段」
これは、是非見てほしい飾山である。
なんと言っても、茨木童子の恐ろしい形相が、何より印象的なのである。
子供なら泣き出してしまいそうな迫力が伝わっている。
切り取られた腕を握り締め、復讐に燃える茨木童子の顔は、角を生やし、大きな眼をむき出して、凄まじい形相をしている。
飛び上がらんとするその姿は、腕を取り戻した喜びの躍動感と共に、復習の怨念を撒き散らして去っていく様子が伝わってくる。
その脇には、茨木童子と見抜けず、むざむざと腕を奪われ、逃げられた渡辺綱が口惜しそうな表情で立っている。
川端の商店街に突如現れた、この茨木童子。
周りに昔話の雰囲気をかもし出しており、必見の価値がある。
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