発心公園の桜
九州の数多くある桜の名所の中で、最も早く咲く場所が耳納北麓の自然に抱かれ、草野の古い町並みの山手にある発心公園です。この公園は久留米、田主丸町との町境近くに位置し、古くは、平安時代末期から400年間筑後一円に勢力を誇った豪族草野氏の居館趾といわれている場所です。自然環境にめぐまれた場所で、昔は歴代久留米藩主が好んで桜の花見をおこなった場所としても有名で、かの明治時代の文豪夏目漱石も久留米を訪れた折りにここにきて「松をもて囲いし谷の桜かな」と詠みました。現在も久留米地区を代表する桜の名所としてソメイヨシノを中心に約700本あり、開花時期は他のソメイヨシノより4~5日早く開花します。歴史と文学の香りのする由緒正しい桜の名所でこの公園がある草野町は、江戸時代以降は豊後街道の宿駅として栄えた場所であり、県指定文化財の須佐能袁神社、専念寺等の社寺や古い民家が残り久留米市の伝統的町並み保存地区に指定されています。

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